現在ではさまざまな車種が発売されている実車系のミニ四駆群。そのデザインは、実車をイメージ(オマージュ)したものや、実際に存在する(した)車両をミニ四駆化したものも含めると、実にバリエーションは豊かです。 その中で、今回妄察(妄想+考察)していくこのアストラルスターは、唯一無二の、ある意味突き抜けたものを持っていると感じています。 それは多方面でご指摘があるように、また、実際に手に取った方は、即座に気づく点。 そう、それは、裾が極端に短いこと。 見方によっては、残念ながら「ダサい」というレッテルを貼られてしまっている要因でもあります。 アストラルスターの生みの親、根津孝太氏のスケッチ画「astralster evo1」は多くの支持を得ていながら、なぜそのような形をしているのか。 その理由として考えられているひとつに、ボディをほぼ無加工で、さまざまなシャーシ(片軸シャーシ)に載せられるようにするため、というものがあります。 もしそれが本筋なのであれば、そのような配慮はなかなかできそうで、簡単にできるものではありません。それはこの車種の最大の利点でもあり、他にはない汎用性は、最大の強みとも言えるのではないでしょうか。 しかしながら、そこで犠牲になるものは果てしなく大きく、失った部分の代償として得られる恩恵を、一体どれほどのミニ四レーサーが受け取るのだろうと考えると、実に思い切った製品とも言えるでしょう。 今日まで多くのコンデレーサーの方々がアストラルスターを考察し、さまざまな解釈のもとでアレンジが加えられており、それらを見ているだけでわくわくが止まりません。発売から10年以上経過しても、です。 根津氏の卓越したデザインから生まれた製品そのものは、キャビンをはじめとした流麗なライン、リヤウィンドウの個性、それらと前後フェンダー部の力強さを絶妙に融合しており、実車のデザインをミニ四駆に落とし込んだという点から見ても、実車により近く、しかしながらコミカルな表情にも見える「ミニ四駆らしさ」も兼ね備えた、極めて稀有なモデルであると思います。 なので、できる限りそのアイデンティティをそのままに、かつEVOの原画とは違う方向性でリファインしたい。そして、アストラルスターの持つ未知なるポテンシャルを引き出してみたい、と考えるようになりました。 続く。
2025/05/18 19:46:51